なかみ・みづきの灰だらけ資料庫(書庫)

~仲見満月が言葉を折る灰色の部屋~

同人誌を出す、その裏側の話 ~サークル「仲見研」の場合~

Twitterのほうで昨夜、軽くご報告したましたとおり、秋の新刊を入稿しました。頒布は、来月の9月30日にある関西コミティア53の予定です。暫定的ですが、下の記事で表紙の画像を公開しております。ご覧ください:


【'18.8.8_1305更新:お知らせ】同人誌『学術系ニュース』'18年10月秋号の表紙公開 - 仲見満月の研究室

 

秋の新刊は、追加補足の記事を書く間、予定していた印刷所のキャンペーンを逃してしまい、印刷代を変更せざるをえませんでした。その関係で、当初より1冊100円アップになり、イベント頒布価格は800円となりました。とうか、ご了承くださいませ。

 

山の日前後から、秋の新刊の校正をしていた関係で、ブログ群の更新が止まっておりました。実は他にも抱えている用事や作業はあるのですが、あまり更新をしなくなってしまうと、私は今までの感じからすると、ブログの書き方を忘れてしまうんです。以前の書き方を取り戻すのに、過去の記事を見ながら項目立てを新しい記事に取り込んで、テーマに合わせるとか、やってきました。

 

学術系のネタはたまってはいるものの、情報の整理や調べが追いついていないため、今回は日記を中心に書いている、「灰だらけ書庫」を更新することにしました。本日の話は、タイトルどおり、同人誌を私が出している裏側の話をしたいと思います。

 

 

弊サークルの同人誌『なかみ博士の術系ニュース』、今年の春号からは、表紙や本文に、本格的に看板犬「博柴」(はくしば)が登場しています。「博柴」には、赤毛の柴系・仲見ケンのほか、実は黒柴の相田ハナも存在し、いずれ、誌面や特典に出す予定でおります。

 

言わずもがな、私は犬のなかでも、柴犬とその系統の見た目の個体が好きでして。育った家にも柴系のイワンコ(仮名)を飼っていました。博柴を同人誌のイラストに入れているものの、なかなか、生き物を描くのは大変でした。コマンドで同じポーズをさせるにも限界はあるわけです。その昔、夏休みの工作か何かで、イワンコの絵を描こうとして、ずっとお座りしていてもらうのも、過酷。今のように、スマホやデジカメのように写真を気軽に撮って、それを見ながら描くのは難しい時代でした。フィルムつきカメラで撮影後、現像された写真が届くのに、数日はかかっていた頃でした。

 

今は気軽に写真を撮れる時代にはなりましたが、欲しいポーズをとってもらうのも、大変です。そういうわけで、柴犬の人形やフィギュアを見かけると、買い集めて、それらを見ながら博柴のイラストを描いています。100円ショップのセリ○、カプセルトイの生き物シリーズが、作画を助けてくれました。

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さて、ここからは、本文のほうの話をしていきましょう。8~9割はブログ群から特集テーマに合わせて収録し、残りの1~2割は書き下ろしや新規の内容になります。ブログ群からの収録記事は過去に書いたものを載せるから、作業の手間は、いちからストーリー作りと作画をする漫画同人誌に比べると、短めだとは思います。漫画同人誌よりも、フットワークは軽いでしょう。

 

けれど、誤字・脱字のチェック、学術面の情報の確認や新規論文の追加をすることがあり、これ、かなり骨が折れます。記事が古いと追加する新規情報の取捨選択、既存の内容に本文として追加する・注釈にとどめるの判断。全部、詰め込みたくても、印刷代や使える紙の種類には制約はあるので、本文に入れる内容には、論文と同じで、追加できないものも出てきます。

(そのあたり、記事のチョイスも同様)

 

紙だけでなく、バックアップに割ける現実的なデータ原稿の容量にも、限りはあります。解像度の高い画像に加え、本文の入稿データが重いと、本当にPCの動作が遅くなるんです!クラウドに保存中、ファイルが壊れたり、「アップロードに失敗しました」という表示が出たり、しょっちゅう、ありました。

 

学術系は電子書籍にしても、紙書籍にしても、参考文献が増えます。クラウドにしても、リーダーの端末、動作が重くなります。紙書籍の場合、図書館には何回も通いつめることになり、返却期限との戦いの日々もありました。近くの館にない本を取り寄せてもらうなら、その輸送時間が新刊を出すスケジュールにも関わってくるでしょう。

(そんなに、きっちり、予定は組んでいませんが…)

 

と、弊サークルの学術系同人誌は、こんな環境で、作られています。振り返ると、一人で学術誌を作っているプロセスを経ています。なので、入稿後はグッタリな状態でした。

 

昨日、今年の夏コミC94が終わったそうですが、サークルで数ヵ月に一回、どんなジャンルでも本を出している人は、それぞれ、大変なんです…。私は評論本を読むと、例えば、食べ物ガイドなら、サークルメンバーで食べ歩きをするところから、記録をとって話し合い、写真を撮れるところは撮って加工し、文章を書き、レイアウトして誌面を構成する作業をする…。と、作成過程を想像しながら、読ことがあって、チームワーク作業が苦手な者としては、感動して泣きたくなります。

たとえ、本人たちには楽しくとも…。

 

以上、サークル「仲見研」が同人誌を出す、その裏側のお話でした。同人誌を出しているところは、特に文章系は、取材したり、イラストを絵師さんに頼んだり、外部の協力を得て制作しているサークルさんもあると思います。もし、そういった本を読む機会がありましたら、作っている時の風景を想像すると、また違ったものが見えてくるかもしれません。それもまた、同人誌の醍醐味ではないでしょうか。

 

おしまい。

 

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